即生産中止:Maton Vera May

2020年2月頃、Maton社から新シリーズとなるモデルが発表されました。

Maton Vera May というモデルであり、ピンと来る方は来ると思いますが、Maton創始者のBill Mayの奥様の名前でございます。

創業者の奥様100歳を記念して発表さてた等モデルは、AAグレードのヨーロピアンスプルース、AAグレードのブラックウッドサイドバックという、トップ材に高級なものが使用されているというスペックで税別37万円で発売されました。

これは通常の生産ラインに追加される予定で、カスタムショップ等とは違います。ルシアーものでもありませんが、後ほどとんでもない結末を迎える事になります。

初期ロットとなる100本は、アイボリーのギターケースにVera May直筆のサイン&ナンバリング入りラベルとサービスしまくりの内容となりました。

結果的には国内市場では100本中、No.3(ドルフィン大阪),No.7(ドルフィン恵比寿),No.27?, No56?,No78(ギタプラ御茶ノ水)の5本程度の入荷であったと記憶していますが、そもそもMaton自体の知名度が低いため、即完売・・・とはならずに暫く(2ヶ月ほど)市場を漂っていました。

No.7のVera Mayに使用されているブラックウッド。AAグレード???

そもそもこのモデルは、Vera Mayのバースディを祝うために用意されたシリーズであり、創業者の妻の名前を語る以上妥協したものづくりは許されません。(別にいつも妥協して無いと思いますけどね。。)

加えて、初期ロットは特に直接Vera Mayにサインしてもらうものですので、文句付けられてしまうものなんて絶対に作れないわけです。

このプレッシャーもあり、カスタムショップのアンディ以下クラフトチームはかなりプレッシャーのある中で初期ロットの製作に取り掛かりました。

よく楽器製作において「初期ロットには宝が眠る」という都市伝説のようなものがありますが、これは伝説でも何でもなく、「事実」です。理由は上記に似たような事態が、どんなモデルでも起こり得る為ですね。

メモリアルモデル、仕様変更直後、カスタムモデル、アーティストモデルなどは「一手間」かけられている分それを確認する人が大抵存在しますから。

VeraMay初期ロットの素材は明らかにカスタム倉庫の中、または一般倉庫でも選り抜きの材料が使用され、AAグレードレベルの材では決してありません。たくさん所有してきた筆者が断言しておきます。

下記は、カスタムショップCS Classic Black Woodのサイドバック材。

Cs Classic Black Wood のサイド材。※マスターグレード。

マスターグレードのブラックウッド(コーティング仕上げ)と上記のVera May(サテン仕上げ)の木目を比較してみると、非常によく似ている印象を受けます。

実際に手にとってみると分かりますが、材料はカスタムショップでも通用するものが初期ロットに用いられている印象です。これは、30万円台ではまず購入できないはずのギターでは。。。

そんなこんなで、値段の割にお得すぎるこの個体ですが、

2020年2月に発売され、数本国内に入り、その後全く入ってきていません。コロナだから??いやいや、そうではなく、、、

「素晴らしく良い材料しかVera Mayには使用できないから、コストと釣り合わない」

「だから生産辞めます」

とバッサリ生産中止になりました。つまり、大量生産してシリーズ化出来るようなスペックではなく、カスタムショップ寄りのギターだったからですね。

これが発表された後、国内市場に漂っていた個体は秒で無くなりましたとさ。。めでたし〜。

わたし?No7の確保はバッチリしておりますよ。サムネの写真は私のですからね。。。

まず第一に感動したのは、良い材料がコストの関係で使用できないから、「やめるんだ」とハッキリと言えるMatonの運営方針。どこかの著名メーカーに爪の垢でも煎じて飲ました方が世の為だと思います。

廉価材や妥協した材を使用して値段を変えずに行くことも可能であるのに、それを絶対にしないのはこのメーカー最大の特徴ではないでしょうか。MATONはオーストラリアのメーカーですが、日本の職人気質が感じられる、非常に好感が持てるメーカーですね。

妥協した楽器を作るくらいなら大量生産辞めて、コストを下げて再提供をする。

素晴らしい価値観だと思います。

しかし、大手の著名メーカーもかつては皆手作りや良材に拘って良いギターを排出してきた過去があり、また世界的な需要増に対応すべく工業化を進め、現在のように落ち着いている経緯もありますから、

今の世界的なMaton需要にオーストラリアの工場だけで対応出来るのか、手作りに拘り続けて大丈夫なのか、話題は尽きません。

個人的には、無理に本数を増やさない現在の方針をマイペースに貫いて欲しい所ですが、さてさてどうなるか、

注目したい所ですね。

いずれにせよ、Matonを探していてカスタムショップは高すぎるけど、他の人とも被りたくない・・・という人にはこのギターを見つけたら即弾かせてもらった方が良いです。

廃盤となったギターは、言うまでもなく入手困難となりますから、良い投資にもなると思いますよ!

※ギターせどりはオススメしませんが、、、、

短いですが今日はここまで!

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