
ここでは、フィンガースタイルにお勧めのギターメーカーを紹介します。
フィンガースタイルは、コードバッキング等の奏法と違い、大抵は親指でベースを絶えず弾き続け、他の指でメロディラインを乗せる特殊奏法です。左手も右手も忙しい曲が多いのです。通常、コードを抑える際にネック幅が太いと抑えにくく、初心者にはお勧めしないという話をよく聞きますが、私は違う意見です。
左手が忙しいほど、ネック幅はある程度広めの方が使用しやすいのです。単純に一弦一弦抑えやすいからですね。
基本的には43mmのネックが標準とされていますが、私のメインギターのMATONは44mmでショートスケールです。たかが1mmでも、使用感は全く違います。ギター選びの際には、音以前に、ギターの大きさや、ネックの幅、長さ、触り心地を重視してみてください。
写真は後程更新しますが、是非試弾きしてほしいメーカー、規格は以下の通り。※あくまでフィンガースタイルに、個人的にお勧めのギターです。30万円程度が相場ですが、その三で、20万台までのギターを紹介します。
①MARTIN D28,000-28,OM-28,00-18,0-18(生ギターとして最高峰)
言わずと知れたアコギトップブランドですね。笑

アコギでドレッドノートといえるのはこのマーチンだけです。他は、ドレッドノートタイプといいます。エレキで言えばレスポールタイプのようなものです。
サイズはD(ドレッドノート),ooo(トリプルオー),oo(ダブルオー)..と小さくなっていきます。ダブルオーからは、パーラギターとも呼ばれ始めます。
フィンガースタイルにはドレッドノートサイズを使用するアーティストは少ないですが、結局身体に合えばこちらも使用して良いでしょう。弾き語りを始めとして、どんなプレースタイルにも的確に合格点以上を出せるギターという印象です。日本人好みの、所謂鈴なり?という、ピアノのような音色を出す個体もあります。
注意してほしい点は、ピックアップは付いていないのでライブ向けではない点です。後付け工事も可能ですが、高く付く上に、音が変わってしまうのでお勧めしません。生ギターは生ギターとして使用するのが私は最高だと思います。
➁MATON EBG808(エレアコ)


maton はオーストリアのアコギブランドです。まだ全然マイナーですが、近年秦基博さんのモデルがでて少しは広まった、、かな?
tommy emmanuelとの関連が非常に深いギターで、maton 好き=tommyファン と言われるくらい彼と深い歴史のあるメーカーです。まあ間違い無いですね笑
サイズはooo,ooサイズの中間で胴厚です。特筆すべきはピックアップシステムで、弦振動を拾うピックアップと胴の内部のエアー感を拾うマイクをブレンドすることができます。これにより、tommyのようなパーカッシブなプレーでも、確実に音を拾えるのです。
フィンガースタイルを目指す人は、色々試行錯誤をした挙句に、ここにたどり着くのでは無いでしょうか。
音質はガサツで太い音。サイドバック材にもよりますが、基本的に繊細ではありません。もっちりした感覚がするので、ハマればもうmaton から抜け出せません。
その上ネック幅は44mm,ショートスケールでプレーし易いという完全フィンガースタイル仕様ですね。
➂Taylor series(エレアコ)
メイドイン、アメリカのブランド、taylor。
ネック_ボディの接合が接着剤ではなくボルトという斬新さ。メンテのしやすさ、音のバラツキのなさは、総合的に全アコギメーカーの中で一番安定している印象です。
ボディサイズは、GA(グランドオーディトリアム),GC(グランドコンサート)サイズという、テイラー独自の基準を設けており、いずれもoooサイズ以下でフィンガースタイル仕様です。ネックの厚みが薄いので、一度触らせてもらうと良いと思います。
グレード分けとして、以下のように100番台から900番台まで色々な機種があります。ceというのは、カッタウェイ+ピックアップ ということです。
100 | レイヤード ウォルナット (例:114ce) |
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200 | レイヤード ハワイアンコア (例:214ce) |
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300 | サペリ or ブラックウッド (例:314ce) |
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400 | オバンコール or インディアンローズウッド (例:414ce) |
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500 | マホガニー (例:514ce) |
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600 | メイプル (例:614ce) |
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700 | インディアンローズウッド (例:714ce) |
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800 | インディアンローズウッド (例:814ce) |
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900 | インディアンローズウッド (例:914ce) |
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標準的なのは300番台でしょうか。どちらにせよ、触らせてもらう方が良いですね。安いからtaylorの音が出ない、というブランドではありません。900番台の材の良さは格別ですが、音のサステインがよく伸びるのでフィンガースタイルでもノントラヴィス系だと真価を発揮するでしょう。逆にトラヴィス系だと音がしつこく感じるかもしれません。
いかがでしたか?アコギも、メーカー次第で色んな特徴があります。
大切なのは、ある程度練習のベクトルを絞ったら、メーカーの目処をつけ、足を使って探すことです。
アコギへの思い入れは、購入前の探して弾き比べて、悩んで、それでも忘れられないという過程があって強くなります。勿論、それは今後の練習にも直結してくる問題です。
自分だけの一本は、自分でしか探せません。物の価値観も人それぞれです。是非あなたを待っている大切な相棒を、探し出してあげてくださいね。きっとワクワクするギターライフを作っていけることでしょう。
今回はここまでです!
その3に続く(20万台までのギターを紹介します。)